愛おしき日々

虚無の日々を過ごしています。

自殺の話

夜中、つらくてつらくてどうしようもなくて、自転車をこいで駅まで向かった。終電に乗り込み、自宅の周辺より少しだけ栄えている隣駅まで行った。駅を出て近くの歩道橋から身を乗り出す。下に広がる道路を見下ろしてみた。

下は真っ黒で、本当に黒々としていて、「無」が広がっていた。

飲み込まれてしまいそうだった。もう少し身を乗り出すだけで、私はこのまま黒い無に飲み込まれて、何もかも無くなってしまうのだろう。

私はそれを望んでいる筈だった。

だったはずなのに、心臓はどんどん冷えてゆき、手先がぴりぴり痺れてくる。襲ってきたのは恐怖だった。背筋がゾワゾワして力が抜け、その場にしゃがみこむ。

死ぬのは怖いと思った。現実はクソで、私は上手く立ち回れなくて、全部虚無で、死んだらそれで全部終わり。頑張って生きるのに意味なんてない。

でも、死んでしまうのは怖いと思った。


ボロボロ泣いて、震える脚でカラオケに向かった。終電で来たから帰れないし、この辺で夜を越せるのはカラオケぐらいしかなかったから。

歌も歌わずソファに寝転がってワンワン泣いた。つらくて、やるせなくて、さみしくて、どうしようもなかった。

 

朝5時、外の日差しが目に痛かった。澄んだ空気に後ろめたさを感じたり、勝手に少し明るい気持ちになったりした。

 

酷い顔色で、目の下を赤くして、始発に乗った。熱海行きのその電車には、始発だというのに結構人が乗っていた。

いかにも朝帰りといった感じのカップル、これから旅行に行くんだろうなという家族、スーツのおじさん、大荷物のおばあちゃん。そして、酷い顔した私。

また、死にそこなったなあ、と思った。